判断フロー
EORベンダー選定フレームワーク

海外雇用代行(EOR)の選び方判定フレームワーク|Deel vs Remote vs Multiplier

判断の核心(Core Question): 「Deel」「Remote」「Multiplier」の主要3社から、自社の採用国・知財セキュリティ・予算規模・管理体制に最も合致するベンダーを客観的に判定します。
4-Route Selection

4つの選定ルートと推奨プラットフォーム

自社が最も優先する「重視ポイント」から、最適なサービスを逆引きで判定できます。

ROUTE 1: DEEL 全世界ハイブリッド・自動化

Deel(多国籍分散・業務委託とEORの統合管理)

世界150カ国以上で業務委託と正社員を1つの画面で管理。SlackやATSと連携し、オンボーディングや承認フローを自動化したい企業に最適。

おすすめ条件:
• 世界3カ国以上で同時にエンジニアを採用する予定がある
• 業務委託($49〜)と正社員($599〜)が社内に混在している
• 社内Slack通知やHRIS連携でバックオフィス工数を省力化したい
ROUTE 2: REMOTE 自社法人直営・知財完全保護

Remote(知財保護・直営エンティティ重視)

全対応国で自社保有法人による直接雇用(パートナー仲介なし)。「Remote IP Guard」により特許・ソースコードの完全帰属を契約上担保。

おすすめ条件:
• AIモデル・基幹ソースコードなど中核知財の保護が最優先
• 第三者ローカルブローカーを介さない直営雇用体制を求める
• 隠れ為替マージン(スプレッド)のない透明なレートを希望
ROUTE 3: MULTIPLIER APAC特化・高コストパフォーマンス

Multiplier(東南アジア・インド特化・月額$459〜)

シンガポール本社で東南アジア・インドの実務に精通。EOR基本料金が月$459〜(年払い)と手頃で、初期固定費を抑制可能。

おすすめ条件:
• フィリピン・ベトナム・インドのエンジニア採用に集中している
• 1人あたり月$599のEOR費用を月$459〜に圧縮したい(差額を給与原資に)
• 日本時間(時差1時間圏)での迅速なチャットサポートを重視
ROUTE 4: BOUTIQUE 現地密着・小規模ニッチ

現地特化型ブティックファーム(専門法律・労務事務所)

グローバルSaaSではなく現地の弁護士事務所や会計事務所が直接提供するローカル代行。大手EORがカバーしていない特殊要件に対応。

おすすめ条件:
• 現地オフィスでの現物PC支給や対面面談など物理的サポートが必要
• 大手EORの定型利用規約では対応できない特殊な労使協定がある
• 対象国が大手EORのサービス対象外(マイナー新興国)
※現地法務・会計事務所へ個別相談
Self-Diagnostic

自社に最適なEORベンダーのセルフ診断チェックリスト

該当するチェック項目が多いサービスが、現在の採用計画における最優先候補となります。

DEEL FIT CHECK
将来的にアジアだけでなく欧米・中南米にも広げたい
業務委託(Contractor)と正社員(EOR)の両方を抱えている
Slackで契約承認や給与確定を行いたい
エンジニア側にDeel Cardなど多彩な出金手段を提供したい
REMOTE FIT CHECK
特許や機幹ソースコードの知財帰属が法務上クリティカル
パートナーを介さない直営法人のみの雇用体制を方針として公表
為替レートにマークアップのない実勢レート適用を重視
現地トップ企業水準の民間医療保険(HMO等)を用意したい
MULTIPLIER FIT CHECK
採用対象がフィリピン・ベトナム・インド等に集中している
EORの月額固定費を月$459〜に抑えたい
13th Month Payやテト賞与の労務慣行に手厚いサポートを希望
日本時間(時差1時間以内)でスムーズにサポートを受けたい
TCO Simulation

人数規模別・年間プラットフォーム費用試算(TCO比較)

※2026年年払い基準試算
雇用人数 Deel / Remote (月$599/人) Multiplier (月$459/人) 年間削減可能額(差額)
1名雇用 $7,188 / 年(約108万円) $5,508 / 年(約83万円) +$1,680 / 年(約25万円節約)
3名雇用 $21,564 / 年(約323万円) $16,524 / 年(約248万円) +$5,040 / 年(約75万円節約)
5名雇用 $35,940 / 年(約539万円) $27,540 / 年(約413万円) +$8,400 / 年(約126万円節約)
10名雇用 $71,880 / 年(約1078万円) $55,080 / 年(約826万円) +$16,800 / 年(約252万円節約)

※試算は1ドル=150円換算。上記はEORプラットフォーム利用手数料の比較であり、エンジニア本人の給与・法定社会保険雇用主負担・法定賞与(13th Month / テト)・事前保証預託金(デポジット)は別途実費が発生します。

EOR契約時に必ず確認すべき4大チェックポイント

1. デポジット(保証預託金)の返金規定

解雇予告手当等の担保として給与1〜2ヶ月分の事前預託が必須です。契約終了から何営業日以内に無利息で返金されるかを契約書で確認してください。

2. 法定賞与・社会保険料の明細透明性

比の13th Monthや越のテト賞与、法定社会保険(SSS・PhilHealth・BHXH)の計算根拠が月次インボイスで明確に開示されるか確認しましょう。

3. 解雇・リダンダンシー(人員整理)の法務支援

パフォーマンス不足や事業縮小による解雇時、現地の適正手続き(Just Cause / Authorized Cause)と合意退職合意書を現地法に準拠して作成できるか確認します。

4. 給与支払い時の為替レートとスプレッド

日本円または米ドルから現地通貨へ換算される際、社内為替スプレッド(約0.5〜1.5%)が上乗せされるか、市場仲値が適用されるかを確認します。

法務・税務・労働基準の出典
  • Platform Public Pricing 2026
  • Customer Case Studies