Cost Guide• 対象: 🇯🇵 日本企業 •更新: 2026-10-07

国別の給与相場 フィリピン・ベトナム・インドのエンジニア月給を、同じ物差しで並べて比べる

このページの決定ゴール: 主要国(比・越・印)の経験年数別(ジュニア/ミドル/シニア)の基本給テーブルを把握し、採用年俸枠を策定します。

「いくらで採れるのか」は、海外採用で最初に出てくる疑問です。ただ、給与は国名だけでは決まりません。職位、雇う会社の種類、為替で大きく変わります。このページは、3カ国を同じ表に並べて、予算感をつかむための入口です。

30秒結論:月額予算で狙えるエンジニアの目安

月20〜30万円でミドル層(比・越)、月35〜45万円でシニア層(比・越)、月50〜80万円で世界水準のAI・基盤リード層(印)

月20万〜30万円ゾーン

🇵🇭/🇻🇳 ミドル(実務3〜5年)。Webフロントエンド、API結合、モバイルアプリ開発を単独遂行可能。

月35万〜45万円ゾーン

🇵🇭/🇻🇳 シニア、または🇻🇳 BrSE(日本語N2〜N1)。システム設計・コードレビュー・現地チーム統括。

月50万〜80万円ゾーン

🇮🇳 AI/ML、大規模分散、クラウドリード。東京シニア(75〜95万円)以上の技術力を大幅なコスト削減で獲得。

先に知っておきたいこと表の数字は「日本企業が海外在住エンジニアをリモートで直接採用するときの、月額の基本給」の目安です。現地の平均給与ではなく、国際水準に近い案件を想定しています。為替や市場で動くため、予算を組む前に最新の求人や見積りで確認してください。

3カ国の月額給与の比較(基本給)

レベル🇵🇭 フィリピン🇻🇳 ベトナム🇮🇳 インド
ジュニア(実務1〜3年)3〜5万PHP
約8〜13万円
1,500〜2,200万VND
約9〜13万円
8〜14万INR
約15〜26万円
ミドル(実務3〜6年)5.5〜9万PHP
約15〜24万円
2,200〜3,500万VND
約13〜21万円
15〜26万INR
約27〜47万円
シニア(実務6年以上)9.5〜16万PHP
約25〜42万円
4,200〜5,800万VND
約26〜35万円
27〜40万INR
約49〜73万円
テックリード・専門職16〜24万PHP
約42〜64万円
6,000〜8,000万VND
約36〜49万円
38〜60万INR
約69〜109万円

円換算は目安レートによる概算で、百円単位で丸めています。手取りではなく、会社が本人に支払う基本給です(社会保険料などの会社負担は含みません → 採用・EOR費用の総額)。

表の読み方:3つのポイント

① 同じ「ミドル」でも国で意味が違う

フィリピンは英語対応・フロントエンド・運用に強く、ベトナムはWebやモバイルの開発に厚みがあります。インドはAI・データ・大規模基盤など高度な領域で報酬が上がりやすい傾向があります。

② インドは雇う会社の層で大きく割れる

外資ビッグテックや有力スタートアップと、受託系のIT企業では、同じ職位で給与が2〜5倍違うことがあります。日本企業が現実的に狙いやすいのは、成長期の自社プロダクト企業の層です。

③ 「安い」だけで国を選ぶと失敗しやすい

時差、英語力、人材の厚み、退職までの期間(インドは60〜90日が一般的)などの条件が違います。コストは判断材料の一つで、国別データと合わせて見るのがおすすめです。

東京で採用する場合との比較

東京で同等のミドル〜シニアのエンジニアを正社員で雇うと、社会保険を含めて月75〜95万円規模になることが多いため、海外採用は人件費を下げる選択肢になります。ただし、立ち上げ費用、EOR手数料、マネジメント時間も発生します。「安く採れるか」ではなく「同じ予算でどんなチームが作れるか」で考えると判断しやすくなります。

この比較は目安です東京側の数字は職種・年齢・企業規模で幅があります。自社の実際の人件費と並べて比較してください。

給与予算策定における3大落とし穴(総人件費TCO)

1

法定雇用主負担(18〜32%)の抜け漏れ

EORで雇用する場合、額面基本給に加えて社会保険料・年金・法定賞与(フィリピン18〜22%、ベトナム28〜32%、インド17〜21%)が会社負担として上乗せされます。基本給だけで予算を組むと1.2〜1.3倍の費用超過になります。

2

手取り(Net)と額面(Gross)の誤解

候補者が「希望給与は$2,500」と提示した場合、それが「手取り(Net)」のつもりで話しているケースが多発します。手取り保証で契約すると、現地の所得税を会社が全額被ることになり人件費が跳ね上がります。必ず「Gross(総支給額)」で合意してください。

3

為替変動による年間コストのブレ

USDまたは現地通貨建てで契約する場合、1ドル=5円〜10円の円安変動で月額数万円のコスト増になります。社内予算には最低5〜10%の為替バッファをあらかじめ積んでおくのが安全です。

ネクストアクション:給与設計を進める3つの実務ステップ
STEP 01

自社の月額予算から国・レベルを決定

上限予算が30万円ならフィリピン・ベトナムのミドル層、50万円以上ならシニア〜リード層へターゲットを設定。

STEP 02

総人件費(TCO)の試算

基本給+法定負担(+20%前後)+EOR手数料(月$459〜$599)を合算し、年間総費用を算出。

STEP 03

求人票にGross基準と賞与条件を明記

「Gross(総支給額)表示」「13ヶ月給与またはテト賞与の支給条件」を明記して現地募集を開始。

為替の影響をどう見るか

  • 給与は現地通貨(PHP・VND・INR)か、USDで契約するのが一般的です。円建てで固定する契約は少数です。
  • 円安が進むと、同じ現地通貨の給与でも円での負担が増えます。予算には為替の余裕(たとえば5〜10%)を見ておくと安全です。
  • 送金のたびに手数料とレートの差が出ます。比較は 海外送金の手数料比較 を参照してください。

給与の決め方:オファーを出すときの考え方

  • 現地の相場より少し上を提示すると、優秀な人の応募と定着率が上がりやすくなります。
  • 求人票に給与レンジを明記する。応募の質が上がり、条件交渉もスムーズになります。
  • 昇給の機会と評価の基準を最初に伝える。特にベトナムは転職が活発で、昇給の見通しが定着に影響します。
  • ボーナスの慣習(ベトナムのテト賞与、フィリピンの13ヶ月給与など)は各国の商習慣で確認し、年間の総額で設計します。

よくある質問

表の金額は手取りですか?
手取りではなく、会社が本人に支払う月額の基本給の目安です。現地の所得税や社会保険料が引かれる前の金額です。
日本人が業務委託で単価を決めるとき、どちらの通貨がよいですか?
相手の生活通貨(PHP・VND・INR)か、USDが一般的です。円建ては為替リスクを相手が負うため、敬遠されることがあります。
相場より安いオファーでも採用できますか?
採用はできても、定着しにくい傾向があります。特に市場が活発な国では、より高い条件に移られる前提で設計してください。
次の意思決定に進む (Next Action)

給与相場を掴んだら、会社負担総額(TCO)の試算へ

基本給に加えて発生する法定福利費(社会保険・13ヶ月給与/テト等)とツール代を含めた総額予算を計算するか、シミュレーターで即時試算しましょう。

確認した情報源
  • Shirube内の各国ガイド(フィリピン・ベトナム・インド)の相場データ
  • 各国の求人媒体・給与調査・EOR事業者の公開資料(2026年10月時点)
  • 換算レート: 1 PHP ≒ 2.65円 / 1,000 VND ≒ 6.1円 / 1 INR ≒ 1.82円(目安)

最終確認日: 2026-10-07。法律・税率・為替は変わるため、契約や納税の前に現地の専門家または公的機関で再確認してください。