判断フロー
海外送金・給与支払い判定フレームワーク

海外メンバーへの給与・報酬送金判定フレームワーク|Wise vs 銀行送金 vs EOR給与

判断の核心(Core Question): 海外エンジニア(業務委託・正社員)への毎月の送金において、手数料・隠れ為替スプレッド・着金スピード・税務コンプライアンス(源泉徴収・インボイス)の観点から最適な送金ルートを判定します。
4 Payout Rails

4大送金方式の特徴と適用領域

契約形態(業務委託か正社員か)と送金額規模によって、最適な送金インフラは明確に分かれます。

RAIL 1: WISE BUSINESS 為替仲値・小〜中口業務委託

Wise Business(現地国内決済網・仲値送金)

実勢為替レート(仲値)での両替と格安の手数料(約0.45〜0.65%)。現地の銀行決済網に直結し、着金トラブルや中継銀行手数料(リフティングチャージ)をゼロ化。

おすすめ条件:
• 直接の業務委託契約(コントラクター)のエンジニアへ月額報酬を送金
• 1回あたりの送金額が10万〜100万円規模(複数名の一括送金も可能)
• 銀行特有の隠れ為替スプレッドや中継手数料を徹底的に削りたい
RAIL 2: EOR PAYROLL 正社員雇用・税務社保全自動

EOR統合給与システム(Deel / Remote等)

現地労働法上の正社員雇用に対応。現地の所得税源泉徴収、社会保険料の労使按分控除、13th Month等の法定賞与計算をすべてプラットフォームが自動実行。

おすすめ条件:
• EOR経由で現地の正社員として雇用しているメンバーへの給与
• 現地の社会保険納付や年末調整を自社で扱えない(代行必須)
• 日本円または米ドルでの一括請求・銀行振込で完結させたい
RAIL 3: BANK SWIFT 大口送金・既存法人口座

大手銀行 SWIFT電信送金(外為送金)

メガバンクや地方銀行の外国送金サービス。固定送金手数料(3,500〜5,500円)+為替スプレッドが発生するが、1回数千万円以上の大口決済に対応。

おすすめ条件:
• 現地法人への資本金送金や一括外注費など、1回500万〜数千万円の大口送金
• 既存のメインバンク窓口での対面確認・稟議手続きが必要な大企業
• FinTechサービス(Wise等)の新規法人口座開設に社内承認が下りない場合
※小口の月額送金では手数料割高に注意
RAIL 4: LOCAL WALLETS 現地小口・緊急即時着金

現地電子ウォレット(GCash / MoMo / UPI)

フィリピンのGCashやベトナムのMoMo、インドのUPI等。Wise経由で日本の銀行から直接相手のウォレット残高へ送金することが可能。

おすすめ条件:
• エンジニアが現地地方在住で、銀行口座よりモバイルウォレットを希望する場合
• 週末や深夜の緊急作業に対するスポットインセンティブ即時支給
• 受取人側での引き出しやすさを最優先したい場合
※Wise送金画面で送金先として指定可能
Self-Diagnostic

送金方式の判定チェックリスト

自社の契約状況や月次オペレーションに該当する条件を選択してください。

WISE BUSINESS 推奨
雇用形態は「直接の業務委託契約」である
毎月の送金額が1人あたり20万〜60万円程度
銀行の為替スプレッドや中継手数料を節約したい
CSV一括送金(Batch)で経理工数を削減したい
EOR統合給与 推奨
雇用形態はEORを通じた「現地正社員雇用」である
現地の社会保険・所得税の源泉徴収が必須
13th Month等の法定賞与計算を自動化したい
送金業務を含めて人事労務を完全アウトソースしたい
銀行SWIFT送金 推奨
1回の送金額が1,000万円を超える大口決済
現地法人への資本金振込や大口設備購入
既存メインバンクの融資枠・外為口座を活用
銀行発行の外国送金計算書(紙原本)が必要
Cost Simulation

送金額別・実質送金コストシミュレーション(Wise vs 銀行送金)

※2026年標準手数料・仲値基準
送金金額 Wise Business (手数料+仲値) 銀行SWIFT (手数料+為替スプレッド) Wise利用時の節約額(1回あたり)
10万円(約$650) 約 620円(0.62%) 約 7,700円(送金3,500+中継3,000+為替1,200) 約 7,080円 節約
30万円(約$1,950) 約 1,680円(0.56%) 約 11,100円(送金4,000+中継3,500+為替3,600) 約 9,420円 節約
50万円(約$3,250) 約 2,650円(0.53%) 約 14,500円(送金4,500+中継4,000+為替6,000) 約 11,850円 節約
100万円(約$6,500) 約 4,900円(0.49%) 約 21,500円(送金5,500+中継4,000+為替12,000) 約 16,600円 節約

※試算注記:2026年時点の標準的な送金手数料(Wise: 約0.45〜0.65%変動手数料+固定手数料、大手銀行: 外国送金手数料+関係銀行中継料+為替スプレッド約1〜2円/ドル相当)に基づく試算です。金融機関や送金日時の相場により実額は変動します。

海外送金における税務・法務の重要ポイント

日本の所得税法第161条(源泉税0%)

海外在住の非居住者エンジニアが国外で行った開発業務に対する報酬は「国内源泉所得」に該当しないため、原則として日本側での源泉徴収(20.42%)は不要です。

外為法(3,000万円超の報告義務)

1回あたりの送金額が3,000万円相当額を超える場合、外国為替及び外国貿易法に基づき日本銀行を経由して財務大臣への「支払等報告書」の提出が必要です。

インボイスと契約書の証憑保管

法人税法上の損金算入および税務調査対応のため、業務委託契約書、英文請求書(Invoice)、業務完了報告書、送金着金受領書を7年間保管する必要があります。

法務・税務・労働基準の出典
  • Wise Business API Documentation
  • Bank SWIFT Foreign Remittance Tariffs