日本企業 × ベトナム
BrSEを介した日本語開発と、若手理系エンジニアの豊富な供給。バックエンド(Java/Spring、PHP、Go)やスマホアプリ、専属ラボ型開発(ODC)に最適。
BrSE(日本語N2〜N1)の配置で日本語仕様書のまま開発可能。英語オンリー組織では選考難度が上がる。
3名以上の専属ラボ型開発(受託・ODC)またはEORプラットフォームによる直接雇用。
シニア月給32万〜51万円。テト賞与(旧正月・基本給1ヶ月分)の慣行と春の離職対策が不可欠。
職種・経験年数別の現地給与水準(2026年最新相場)
| 職種 / レベル | 現地月給レンジ | 日本円換算(目安) | 想定スキル・業務範囲 |
|---|---|---|---|
| ジュニアエンジニア(実務1〜2年) | VND 12,000,000 - 22,000,000 | 約7.5万〜14万円 | Webフロントエンド、モバイルアプリ保守、単体テスト |
| ミドルエンジニア(実務3〜5年) | VND 25,000,000 - 45,000,000 | 約16万〜28万円 | Java/Spring、TypeScript/Next.js、AWS運用 |
| シニアエンジニア(実務5〜8年) | VND 50,000,000 - 80,000,000 | 約32万〜51万円 | アーキテクチャ設計、パフォーマンス改善、チームリード |
| ブリッジSE(BrSE / 日本語N2〜N1) | VND 45,000,000 - 90,000,000+ | 約29万〜57万円+ | 日本語要件定義、仕様噛み砕き、現地チーム進捗管理 |
雇用主の法定負担・社会保険・法定賞与の基準
額面給与とは別に企業側が負担すべき法定積立・社会保険料率と賞与慣行。
| 制度・項目名 | 法定負担割合 / 支給額 | 実務詳細・法根拠 |
|---|---|---|
| BHXH(社会保険・年金/疾病/出産) | 雇用主負担 17.5%(給与上限あり) | ベトナム労働法に基づく年金・疾病・出産保障。最高納付基準額あり。 |
| BHYT(医療保険) | 雇用主負担 3.0% | 公的医療機関の診療をカバーする法定医療保険。 |
| BHTN(失業保険) | 雇用主負担 1.0% | 失業給付を賄う保険制度。労使折半で拠出。 |
| テト賞与(13ヶ月目給与・慣習) | 月額給与1ヶ月分(実質 約8.33%) | 法律上の義務ではないが、IT業界では支給しないと年明けに離職率が跳ね上がる必須慣行。 |
| 法定雇用主負担 合計目安 | 基本給の 約28%〜32% | 社会保険料(21.5%)+労組費(2%)+テト賞与引当を含めた実効負担。 |
越境契約における税務・源泉徴収・送金実務
日本国内に恒久的施設(PE)を持たないベトナム在住個人への業務委託は、国内源泉所得に該当せず日本源泉税は0%。
ベトナム側の個人事業税(PIT + VAT 合計7%前後の個人請負税率)を現地の契約者が申告・納税。EORの場合は累進PIT(5%〜35%)を源泉控除。
ベトナム中銀の規制に準拠した送金ルートが必要。Wise Businessまたは現地の認定EOR経由のVND直接振込を推奨。
職種適性とチーム構成(得意領域 vs 不向きな領域)
この国・回廊が特に適しているケース
- Java, Spring Boot, PHP, Python, TypeScript等を用いた堅牢なバックエンド開発
- BrSE(ブリッジSE)を介した日本語仕様書からの開発チーム展開(オフショア/受託)
- 数学・アルゴリズムに強い若手理系エンジニアのポテンシャル採用
避けるべきアンチパターン・注意点
- 英語での高度な討議を前提とした組織(英語話者層はベトナム国内でも限定的かつ高単価)
- 旧正月(テト)前後の厳格な納期管理(1月末〜2月上旬に1〜2週間の実質停止期間が発生)
- 仕様の変更が頻繁に発生する探索型アジャイル開発でBrSEを挟まない体制
アジア3大開発ハブ横断比較(フィリピン vs ベトナム vs インド)
現在閲覧中の国(ハイライト表示)と他2拠点の強み・コスト・法制度を直接比較。
| 比較項目 | 🇵🇭 フィリピン | 🇻🇳 ベトナム | 🇮🇳 インド |
|---|---|---|---|
| 英語力 & コミュニケーション | 高い(米語ネイティブ級、親和性大) | 限定的(BrSEまたは日本語/英語話者の選抜必須) | 高い(公用語、グローバル標準) |
| 得意な技術・職種領域 | Webフルスタック、QA、UI/UX、CS/サポート | バックエンド(Java/PHP)、モバイル、ラボ開発 | AI/ML、分散基盤、クラウド、高トラフィック設計 |
| 給与水準(シニア月額目安) | PHP 100k〜160k(約27万〜43万円) | VND 50M〜80M(約32万〜51万円) | INR 180k〜280k(約33万〜51万円) |
| 法定雇用主負担(EOR時) | 約18%〜22%(SSS/PhilHealth/13th month) | 約28%〜32%(BHXH/BHYT/テト賞与) | 約17%〜21%(EPF/Gratuity) |
| 採用リードタイム & 退職告知 | 約30日(比較的スムーズ) | 約30〜45日(テト前後は流動性極大) | 約60〜90日(告知期間バイアウトが必要) |
| 日本との時差 | マイナス1時間(ほぼリアルタイム) | マイナス2時間(就業時間の大半が一致) | マイナス3.5時間(朝会の工夫で十分連動) |
| 契約形態の推奨ステップ | 業務委託(1〜2名)→ EOR(長期雇用・知財保護) | 受託/ラボ開発 → EOR → 現地法人(ODC) | EOR(直接採用)→ 現地法人/R&Dセンター |
主要な法務・税務・実務の注意点
Tet Bonus (テト賞与 / 旧正月ボーナス)
ベトナムでは旧正月(テト)前に基本給1ヶ月分程度のボーナスを支給するのが一般的な慣行となっています。
Social Insurance (法定社会保険)
EORで正規雇用する場合、給与に加えて約21.5%の会社負担社会保険料(健康・年金・失業等)が発生します。
IP Assignment (ソースコード等の知財保護)
成果物やソースコードの権利が確実に自社へ帰属するよう、英文契約書に著作権の完全譲渡条項を明記しておくことが大切です。
Bilingual BrSE (ブリッジSEの活用)
日本語が話せるブリッジSE(BrSE)をチームに入れることで、日本の設計要件をスムーズに現地メンバーへ伝達できます。
日本企業 × ベトナム採用で直面する3大落とし穴と事前回避策
机上のスペック比較では見落としがちな、現地固有のインフラ・法規・商習慣のリアル。
テト賞与慣習と春のジョブホッピング
旧正月(テト)前に基本給1ヶ月分の賞与を支給する業界慣習があります。支給直後の2〜3月はITエンジニアの転職活動が最も活発化するため、12月〜1月に年次評価と翌期昇給条件を提示してリテンションを図る必要があります。
テト期間中の国全体停止(1〜2週間)
テト期間(通常1月末〜2月上旬)は行政機関・民間企業ともに完全休業となります。エンジニアも帰省するため、この期間の緊急デプロイや障害対応は期待できません。1月上旬までにリリースを完了させる計画が必要です。
個人所得税(累進最高35%)とNet交渉
ベトナムの個人所得税(PIT)は累進課税で最高35%に達するため、シニア層は「手取り(Net)」で交渉したがる傾向があります。会社が手取り保証をすると税負担が急増するため、必ずGross(総支給額)での契約を徹底してください。
BrSE配置とチーム言語方針の決定
日本語仕様書で進めるためBrSE(N2/N1)を立てるか、英語テキスト中心で進めるかを確定。
テト賞与とGross年収の設計
基本給1ヶ月分のテト賞与を含めたGross(総支給額)給与レンジを提示し、昇給基準を共有。
ラボ開発またはEORの選定
チーム規模に応じて受託・専属ラボ型(ODC)パートナーまたはEORプラットフォームを選定。
ベトナムでの開発体制を決める次の一歩
日本語仕様書やBrSEを活用できるベトナム。契約形態を判定するか、現地の採用手順マニュアルを確認しましょう。